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モノカキブログ

日記兼更新記録。  最新更新分までのネタバレがあることはありますが、隠してありますので、どうぞご安心を。

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  • 04/26/12:51

『小説書きさんを問い詰めるバトン』

というわけで、面白そうなバトンがあったので、もらってきました。


かなりラストの重要な部分のネタバレもしています。
未読の方で、ネタバレがいやな方は、リンクで隠した部分は読まないで下さい~!


『小説書きさんを問い詰めるバトン』

1:小説を書く際、資料などは使いますか? 何を使いますか? (例:wikipedia、書籍名、etc)

まずはネットです。ネットで大まかに調べて、大まかに調べたあとに興味が出てくると、広いネットの海へ、長い調べ物の旅に出ます(笑)
手軽と言うこともあって、本よりはネットが多いですが、図書館でカキモノしながら調べまくりという時期もありました。七都では、幕間のリディリーク編のとき、ずっと図書館に籠もって、資料を引っ張り出し出し書いてました。
あとは、私は実際に見られるものは、実物をできるだけ自分の目で見ておきたい派です。七都を書いてるときは、物語の舞台として使った場所、武器、城、その他小道具、いっぱい見に行きました。
見に行くと、直接見た知識を書いたりして使わなくても、すごく自分の内側に根付く感じがあります。書いたものって氷山の一角みたいなものだと思っているので、その、見えない大きなピラミッド部分を支えるものになる感じがします。

2:プロットやフローなどは用意しますか?用意するとしたら、どのように立てていますか?(例:メモ書き、StorYBook、etc)

プロットを作らずに物語を書くことは、私はまずないです。

浮かんだシーンごとに、メモ書きファイルを作って、いっぱい貯めてから書き始めます。長編の場合は、書き始める前に、断片メモを山ほど用意してからじゃないと書き始められないので、七都を書き始めたときは、メモファイルが百以上はありました。
フローチャートもそれなりに細かく最後まで作ります。
物語の構成、流れも、骨組みはほぼ作り上げてから書き始めます。
でも、フローで組んだ「骨」以外の「肉付き」の部分は、途中からキャラが勝手に動き出したこともあり、かなり膨らんで、出来上がってみたら思ってもみなかった形になってもいます。それがとても楽しかったです。


3:小説を、どこかに投稿したことはありますか?

昔、コバルトに投稿したことがあります。もう一歩の人でした。
その一歩は多分2000kmくらいあると思います。

4:あなたの小説(文章)が一番影響を受けている作家さんを一人挙げるとしたら、どなただと思いますか?

ひとり……は無理(笑)だからいっぱいあげる。
池上永一、新井素子、若木未生、松本零士、吉本ばなな、あとは内緒だ。


5:あなたの書いた小説に今まで登場した中で、一番好きな情景描写の言い回しを一つ、見せてください。(ネタバレしそうな部分は伏字などで構いません)

……この問いに答えるために、情景描写を探したのですが、私の小説には、驚くほど情景描写というものがありませんでした……。
そしていちばん丁寧に描写してるのは、多分、聖羅の服装、というところで話がつきました。
それでも、どんなに長くても、三行以上の情景描写がありません。見つけられませんでした。どうやら私は、情景描写にすぐに心理描写を挟み込んでしまうようです。だから全部ごっちゃになっている……。
というわけで、そんな情景描写を一幕。


 深い闇を抱く、夜の海。
 以前群青とふたりで来た思い出の砂浜で、七都は一人、真暗い海を眺めながら、踞るようにして横たわっていた。
「群青……」
 冬の夜の浜の砂は、驚くほどにつめたくて。七都はその砂を、手のひらに掬った。
 晴れ渡った夜空に煌々とかがやく月が浮かび、掴んだ砂をさらさらと落とす七都の、手の影が砂浜に落ちる。
 七都は腕で砂を掻きあつめて、それを胸に抱いた。腕に感じる確かな質量は、かつてこの胸に抱き寄せた恋人の代わりになる。
「群青、聖羅がね……」
 目を閉ざして、七都は胸の中に抱き込んだ重たい砂に、頬を寄せて語りかけた。
「何もかも、忘れちゃったの。あたしのこともよ」
 七都は、そう言いながら笑った。自らを揶揄するように。
「驚いちゃうわ……」
 けれどなぜか笑った分、あとからあとから涙が出てきて止まらなくて。
 悲しかった。そしてこれほどに悲しいのに、そんな自分を受け止めてくれる腕がどこにもない。
「群青、群青……」
 頬に触れた砂がつめたい。氷るほどの棘はなく、そして少しの熱もない。それはまるで何もない、無、であるかのような温度。
 つめたい。さみしい。さみしい、誰か。
「誰か……」
 温度のない砂を抱いたまま丸まって、七都は泣いた。声も立てずに。
(七都:第六章)


6:あなたの書いた小説に今まで登場した中で、一番好きな心理描写の言い回しを一つ、見せてください。(ネタバレしそうな部分は伏字などで構いません)

「……煌……」
 茫然と、優花はその名を呼んだ。
「おまえをこの手でまもっていたかった、その思いに嘘があるとでも……!」
 煌の声が怒りに震えていた。
 けれどそれは、自分が望んだように、この裏切りに怒りを覚えているわけではなくて。
 苦しいほどに強く抱きしめられて、優花の頬を温かい涙が伝った。もう涙など、彼には見せるまいと思っていたのに。弱いこの心は自分で立てた誓いすら、簡単に破ってしまう。
 けれどそれももう終わりだ。
 明日にも刑は執行されると聞いた。どことも知らぬ遠い場所へ運ばれて。
 長い、長い間、優花はその煌の腕に身を委ねていた。こうしていると、始めて彼にこうして抱かれたあの日を思い出す。つめたい雨の中抱き上げられた、あの冬の日の夜。戻れたらいいのに。あの日の、あの時に。
「……ひとつだけ、私の願いを聞いて」
 煌の胸に顔をうずめて、優花は言った。
「七都をお願い。あの子を幸せにしてあげて、私の分まで」
 煌の答えはなかった。ただその腕が震えていた。
 そして長い沈黙のあと、煌が、瞳を閉ざしたまま、絞り出すような声で囁いた。
「…………おまえが、大切だったんだ」
 優花は頷いた。きっと彼は自分に、できるだけのことはしたのだろう。それで幸福を得られなかったのは自分の所為だ。注がれた水で満足できず、渇き続けてしまった贅沢な自分の。
「さあ、もう行って」
 優花はそっと、煌の胸を離すように押した。
(七都:第六章)

7:あなたの書いた小説に今まで登場した中で、好きな台詞を三つ、見せてください。(ネタバレしそうな部分は伏字などで構いません)

「わたしがそばにいるわ、七都」
 やさしくささやき、そっとそっと、その頭を撫でる。
 この胸の痛みは、罪の意識などではあり得ない。そう、心の中で繰り返しながら。
(七都:第一章)

「信じていて、わたしはあなたの元へ戻ってくる」
「聖羅」
「前とは違う。あなたに大切にされていることを知っている。あなたを裏切るようなことはしない」
 それは聖羅の誓いだった。尚釉の想いに応えるための。
「……ああ」
 見つめ合い、視線が絡まる。聖羅は尚釉の首に腕を回して、彼の選んでくれた紅を引いた唇でくちづけた。
(七都:第五章)

「だけど違う。あたしわかったわ」
 涙に濡れた瞳をまっすぐに上げて、七都は言った。
「愛だけが現実、あとはみんな幻想よ、憎しみも、偽りも、苦しみもせつなさも」
「七都」
「恨みや憎しみも今はもうまぼろしのように遠い。あのときのように鮮明に、その痛みを思い出すことはできないの。そして聖羅が魔女だってわかった今となっては、もう、魔女に対する憎しみさえ、消えてしまったわ……」
 聖羅。その名をつぶやけば、胸にあふれるのは、ただひたすらに愛された記憶。たどたどしく、臆病に、それでもただ注がれ続けた愛情。
「今思い出せるのは、おかあさんがあたしに笑った顔、優花がいつもあたしの味方でいてくれたこと、そしてあたしが泣いていたときに、抱きしめてくれた、聖羅――」
(七都:第六章)


8:あなたがこれから小説に書こうとしている台詞で、「今後の見所!」になりそうな意味深台詞を三つ、ここでコソッと教えてはいただけませんか?

今書いてるのは、まだまだプロットの状態なので、うまくまとまってる台詞がありませんでしたー。
なので琉編からちょこっとだけ。

 泣いて見せようか、と言って即座に泣いてみせるあやに、耶麻が仰天する。
「思い出すだけでいつでもどこでも泣けるような、そんな思い出のひとつくらいなければ、女じゃないわ」
 そう言って平然と涙を拭いたその顔は、全く普段通りで。
「で、それはいつのどんな記憶なんだ?」
 そう、何でもないことのように問いかける尚釉に、あやは笑った。
「秘密」

 あやの後ろ姿を見送る耶麻に、尚釉が苦笑した。
「婚約者がいるんだろ? 自衛してくれ」
「……どうとも思わないのですか、尚釉殿は」
「あやに何を言ってもなあ。それに俺は知ってるから

「あや」
 呼び止められ、あやがふりむいた。
「あなたのことが大好きよ」
 次に会うときは、きっと敵同士なのだと知っていた。
「あやもよ」
 あやが笑う。この島に降り注ぐ太陽のような、いつもの笑顔。うららは目を細めた。忘れないでいようと思った。
 私たちは親友だった。今までも、そしてこれからも、変わらない、いつまでも。
 もう永遠に笑いあえなくても。


9:小説を書く時に、音楽は聞きますか? 聞くとしたら、どんな音楽を聞きますか?

大体ハードロック、ヘヴィメタルが多いです。あとはうるさめのクラシックとか。たまには日本語の曲もあることはあります。
書くときよりも、物語を練り練りしてるときに、音楽の力を借りることの方が多いです。書くときは無音がベスト。


10:日々の生活で、「あのキャラならここはこうするだろう」「あのキャラならこれを選ぶだろう」といった妄想が展開されることはありますか?

生活の中でっていうのはあんまりないです。
でも、物語のキャラクターたちは、いつでも私と行き来できる箱庭に住んでいるので、何か用事があったら呼び出して聞きます。『これこれこういう目に遭ったらどんな風に思う?』『こんなことが起きました。今どんな気持ち?』って、呼び出したキャラクターにインタビューを敢行します。話に行き詰まったときは、そうやって本人(?)に聞いていました。


11:これから小説を書き始めようとしている方に、何かアドバイスがあればどうぞ。

アドバイスできるほど私書けませんが、どうしても何か言わなきゃいけないなら、
まずは自分の為に自分が超好きなものを作るのが楽しいです。
そのあと、余力があったら人のためにも作ってみると、読者様からの共感やレスポンスも得られて、もっと幸せになれるかもしれません。
もっと余力があったら、世の中のために、人を感動させるために何か素晴らしいものを作ってください。お願いします。私感動したいです、待ってます。

私自身の目標は、私のポリシーに、何か行動するときは、七代先の子孫にとっていいと思うことをすれば間違いない、というのがあるので、七代先の未来に向けて、希望を繋ぐためのひとしずくでも落とせたらいいな、と思ってます。何言ってるのかわかりにくくてごめんなさい。

12:ありがとうございました。 もし良かったら五人くらいにパスしてはいただけませんでしょうか

ころころー。と転がしておきます。
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バトン

バトン読みました♪
楽しい♪
もっといろんな人のバトンが読みたくなりますね♪
書くときには気付かなかった自分の事とかわかるし♪
それにしても、自分も情景描写がこんなに少ないとは思っても見ませんでした。

  • 2010年09月19日日
  • 海松房千尋
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